入試情報・コラム

不安ってそもそもなぜ起こるのだろうか?

皆さんこんにちは。マナビコのあべれいじです

 

今回はこの時期受験生が陥る「不安」についてお話をしていきます。

 

受験生はもちろん、保護者の方もこの時期はとても不安になると思います。

 

「共通テストまであと100日をきったのに判定はE判定のまま」

「このままの成績で志望校は合格できるのだろうか?」

「努力はしているのに数値に表れてこない」

 

受験生や保護者の方からこういったご相談をいただくことも多いです。

そこで今回はこの不安とはそもそもなぜ起こるのかについてお話していきたいと思います。

 

「不安」は生物が生き残るために生まれたシステム

 

そもそも人間の不安、とは何が原因で起こるものなのでしょうか?

 

人間の脳には「扁桃体」と呼ばれる領域があります。

扁桃とはアーモンドのことで、ちょうどアーモンド状の形状をした大脳辺縁系にある部位です。

人間の恐怖、不安、悲しみ、といったものを生み出す機能をもちます。

 

この扁桃体を除去すると、不安や恐怖といった感情を感じにくくなると言われています。

それならそんなものなければいいじゃないか!と思うかもしれませんが、私達生物にとってはとても重要な機能なのです。

 

恐怖がなければ、目の前に猛獣や猛毒をもった生物がいてもへらへらとしていられます。

不安がなければ、食料がなくなったり災害が続いても、気にせず寝て過ごしていられます。

 

どうでしょう?

想像してみると、けっこうヤバイやつじゃないですか?

 

つまり恐怖や不安を感じられなかった我々のご先祖さまたちは、おそらく生存に不利であっただろうと想像されますね。

 

ゆえに、私達は生まれながらにしてこうした不安を感じる部位を有していますし、それはかつては生存に必要なシステムであったと言えそうですね。

 

「不安」は「見通しがないこと」に対して起こる

ひるがえって現代日本では、身の回りに命の危険などほとんどありません。とても安全な国で過ごしています。

 

で、そういった不安や恐怖を司る部位はどうするかといえば、「命の危険がない場合でも」反応をするようになります。

 

「自分の言う事を理解してくれない親や子ども」や「自分の意見を否定してくる友人や同僚」といった、自分のことを拒絶される(と本人が思っている)恐怖。

 

「明日、先生(上司)に怒られるかも」や「明日の発表会(プレゼン)でうまく発表できるだろうか」といった、これから起こることに対しての不安。

 

が起こるようになります。

そう言われると、私達の日常は恐怖や不安に満ちていると感じるかもしれませんね。

 

つまり私達は日常的に「見通しがもてないもの」に対して不安を感じますし、「自分を拒絶するもの」に対して恐怖を感じるのです。

 

不安や恐怖を感じるのはごくごくありふれた生理現象であって、能力の低さや努力の不足といったものに起因しない、なんら特別なものではないということです。

 

 

「不安」は自分から見た「印象」で作られるもの

これまでお話してきた通り、不安を感じるのは人間である以上、当然のことと言えそうです。

 

ではどうすればよいか。

 

解決策の一つは発想の転換をしてみることです。

 

我々人間は同じ事象であっても、それを見る人によって全く別のモノの見方をすることがあります。

 

しかも同じ人であっても、それを見るタイミングや時期、感情によって、見方が変わることもあります。

さらには、たった一つの情報を知っただけで、意見が180°変わることもありますね。

 

例えばこんなケースを考えてみましょう。

 

クラスで仲良しだと思っていた子が、ある日学校から一緒に帰る約束をしていたとします。

しかしその子が帰宅時間になって、唐突に「やっぱり今日は、他の子と帰るね」と言ってきたとします。

 

もしかしたらあなたは傷つくかもしれません。
(傷つかないかもしれません。これも意見が別れて面白いです)

 

「なにか嫌われるようなことをしたかな?」

「私との約束を軽くみるような子なのかな?」

「約束を守れないような子は嫌い。許せない」

 

色々なことを考えるかもしれません。

あるいは考えないかもしれません。これも人それぞれですね。

 

ですがもし翌日、その子が「昨日はごめんね。実は昨日一緒に帰った子がすごく悩んでて、相談にのってたんだ。あまりに落ち込んでたからほっとけなくて」と言ってきたらどうでしょう?

 

イライラ、モヤモヤとしていた気持ちも変わるのではないでしょうか?

 

事実は「約束を破って他の子と一緒に帰った」で変わりませんが、それに対する「あなたの印象」が変わることでそれによっておこる感情に変化が起こることがあります。

 

つまり人は、自分の印象を通して物事を見ていて、そのフィルターごしに感情を作っているんですね

 

であれば、自分がいま直面しているストレス(不安など)に関しても、自分の印象というフィルターを変えてみると気持ちが変わってくるかもしれません。

 

不安を解消する「リフレーミング」について

 

「印象が変わるとそこから起こる感情も変わる」という例を紹介しました。

 

不安や焦り、恐怖といった感情ですらも、人は認識を変えるだけで変わってしまうのです。

それではそれを意図的に行うことができたらどうでしょう?

 

それを心理学用語で「リフレーミング」といいます。

不安に感じることそのものの捉え方(フレーム)を変えることです。

 

それができれば不安なことに対する耐性が非常に高まると言えるでしょう。

 

しかしこのリフレーミング、慣れないとなかなかうまいことできません。

 

落ち込んでいたり不安になっているネガティブ思考な人に、「それは悪いことじゃないよ!だってこう考えることもできるでしょ?元気だして!」なんて言ってみたら、「ハァ?そんなふうに考えれたら苦労しねえよ」なんて思われそうですよね?

 

リフレーミングという言葉は広く知られるようになりましたが、この練習方法についてはなかなか解説したものありません。

 

次回の記事では、このリフレーミングの練習方法について解説してみようと思います^^

 

ここまでお読みいただきありがとうございました!

 

 

 

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