こんにちは、マナビコオンライン理系塾です。
理科の学習指導要領変更に伴い、旺文社の「基礎問題精講」が4訂版から5訂版へリニューアルされました。
この5訂版の対象となるのは、2023年度の高校1年生以降の生徒さん向けになります。
2023年度の高校2年生・3年生・既卒生の方は、4訂版のカリキュラムになるのでご注意ください。
今回はそんな基礎問題精講の生物について、何がどう変わったのかまとめていきたいと思います
理科の学習指導要領の変更についてはこちら
章や構成が大きく変更
今回の学習指導要領の変更にともなって、「生物」では章の構成が大きく変わりました。
大きな変化でいえば、生物の進化が後半の「オマケ」的な扱いから最初に移動して「主役」となりました。
それをうけて基礎問題精講の目次も以下画像のように変更になりました。
生物の進化と系統が第2章となりました。
それ以外の章立てについてはそれほど大きな変化はありませんが、一部の問題が章をまたいで移動したというものもあります。
例えば植物の「ABCモデル」に関する問題は、第4章「生殖と発生」から第8章「植物の環境応答」へと移動になりました。
約半数の問題が新たに刷新された
マナビコ調べで46の問題が新たに追加されました。(↑の目次画像に◯印をつけたものです)
他にも、問題自体は同じでタイトルだけ変わっているものや、問題の全体はほぼ同じで一部にマイナーチェンジがあるものもありましたが、それらは除いてカウントしています。
かなり力をいれて再編集されたのがわかりますね。
46問追加されて、トータルでは18問の増加となりました。
ということはつまりその差分だけカットされた問題があります。
具体的には、「メンデル遺伝(連鎖組み換え含む)」や「浸透圧」、「ダーウィンなどのオーキシン関連の実験」などががなくなりました。
取り扱う内容の専門性が向上
今回一番注目したいのが、問題の内容が専門的になったことです。
例えば「RNA干渉」や「サンガー法」、「キメラマウスの作成」といった大学で行うような実験系の問題の取り扱いが増えました。
他にも「cAMP(サイクリックAMP」やオーキシン輸送の「PINタンパク質」、「フロリゲン(FTタンパク・Hd3aタンパク)」といったかなり専門的な内容も盛り込まれました。
以前はこういった問題は基礎精講の上位テキストである「標準問題精講」で取り扱われるにとどまっていましたが、近年の大学入試での実験考察問題トレンドをうけて、そういった問題に頻出の実験法や専門用語に触れておいてもらおうという思惑がありそうです。
旧帝大くらいまでの実験考察問題の基礎力が身につく構成に
基礎問題精講のリニューアル情報、いかがだってしょうか。
新しい学習指導要領に完全対応し、実験考察問題で取り扱われるような専門的な実験や用語も盛り込まれました。
このテキストを使ってしっかり演習することができれば、実験問題をみても「こんなの見たこと無い!」という状態になりにくいですね。
カバーできるレベルとしては、地方国立・中堅私立大学レベルの二次試験くらいまではOKですね。
旧帝大や難関私立大を受ける人は、このテキストを終わらせたあとで赤本演習と「標準問題精講」などと組み合わせて練習してみるといいでしょう。